企業理念

かつての秋葉原は、ガラクタの山から自分の好きなものを掘り出し、同調圧力に屈せず、配慮を求めないままに、かなり高度なオタク知識を持つ人々たちの個性や言論を自由に表現できる街でした。しかし今では、オシャレさ、トレンドを追求する街、観光客の街へと変貌しています。

サブカルチャー業界もまた同様に、現場で汗を流したスタッフや役者たちより資本へと利権が回される時代となっています。さらに日本社会全体を見れば、労働力不足、労働意欲や消費意欲の低下、奉仕精神の欠如、ペーパーレスやキャッシュレスが十分に普及しておらず、古い体質のやり方があちこちに残り、国民や企業は低賃金に過重な消費税・法人税・社会保険・年金負担に苦しみ、さらに、国から企業への助成も、いまや形骸化している。

私たちは、こうした「街の変容」「業界の歪み」「社会の停滞」という三重の苦難に圧迫される時代にあっても、自分を見失わず、自分の信念を貫き、誰にも頼らず自分の手、自分の足で努力して旧世代を打ち破る新しい価値観を生み出すため、20代・30代の若手世代でありながらサブカルチャー業界の経験を積んだ仲間が集まり、2023年6月4日にて株式会社夢織屋を創立しました。
客様は「エンジョイ気分」で嗜む層ではなく、かなりマニアックで限られた一部のオタク層であり、インバウンドの恩恵をほとんど受けていません。

日本のサブカルチャー――アニメ・ゲーム・マンガ・特撮は、世界で売れるための迎合ではなく、日本独自の魅力に根ざしています。すなわち、自由で大胆な描写や発想、そして抑圧に一切妥協しない反骨精神こそが、日本の誇りであり、かつての「秋葉原精神」そのものです。

私たちオタクは、キッズのセンス、キッズの趣味を持つ人間であり、社会の主流ではありません。
それは紛れもなく事実です。しかし、その事実を受け入れ、そんな自分を好きになればいい。それ以上でも、それ以下でもありません。

夢織屋の経営理念は、世間の流行や一過性のブームに一切惑わされることなく、自らの「好き」に没頭することです。日本の古き良きおもちゃ屋文化を継承し、サブカルチャーの真髄を融合させることを使命とします。自分を、他人を甘やかさず、業界全体の健全な発展のために個人の負担もいとわず、利権所有者よりも現場スタッフ、役者の利益を優先し、昔のコンテンツ関連商品の文化的・経済的価値が損なわれないよう努めています。たとえ「業界の異端者」と呼ばれようとも、その名を誇りとし、自分たちの信念を貫き、胸を張って歩んでいきます。

私たち夢織屋は、自由な個性を尊重し、妥協なき販売と創造を続けることで、この停滞した時代に風穴を開け、未来の文化を新たに紡いでいきます。

With great power comes great responsibility.

株式会社夢織屋
創立者、代表取締役
ふうちゃん